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徹底的に患者の話を聞く(症例=不安神経症) パート9

2016年5月6日 投稿者:小松医院

Yさんは、カウンセリングを受けている初めのうちの何回かは、自分と兄、妹との間に差別があったとは気づいていませんでした。しかし、私に繰り返し家族の話をするうちに、お母さんが自分のきょうだいとの間に微妙な差別を作っていたこと、その差別のために自分がお母さんへの感情を押し殺してしまうようになっていたことに気づいたのです。
 「先生、僕、お母さんにとって兄ちゃんや妹ほど大切じゃなかったみたいだ」というYさんに、それまでうなずいたり、相槌を打つ程度でただただ聞き役に徹していた私は、「辛い思いをしたんだねぇ」と一言つぶやくと、Yさんの心のカギが外れました。
 自分の直面する現実と、抑圧された無意識下の感情が葛藤し、差別されていた自分の姿に気づいた結果、Yさんに怒りと悲しみの感情がこみ上げてきました。そしてYさんはその日、私の前で30分以上も泣き続けたのです。

                                                                  山形県 山形市 長町 心療内科 小松医院

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