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徹底的に患者の話を聞く(症例=不安神経症) パート10

2016年5月18日 投稿者:小松医院

今回で「徹底的に患者さんの話を聞く」は最後になります。

不思議なことに、そんなことはあってから、母親の病室に普通にいけるようになった、その次のカウンセリングの時にYさんは晴れ晴れとした表情で私に言ってくれました。「心の底から笑えるようになりました」と目を輝かせながら話をしてくれたのです。
 Yさんの例は、対話によって子どもの時の無意識の抑圧をはっきり意識することにより、不安の症状が治まったという例です。
 説教や説得、自分自身で原因を探る、などのやり方では、Yさんのような患者さんはなかなか治りません。カウンセラーが患者さんに協力して、何度も何度もカウンセリングし、長い時間をかけて押さえつけられている感情を探し出し、無意識の気持ちをはっきりと意識してもらうことが大切なのです。
 もちろん、カウンセラーは専門家でなければならないのですが、こちらからあまり意見を言わず、徹底的に患者さんの話を聞き、共感できるところではうなずき、というくらいに抑えて、どこまでも患者さんに向き合っていくことが大切だと、私は考えます。

補足:なぜ病院に向かう途中で不安発作が襲ってきて、どうしても病室に行けなかったのでしょうか。
→幼少時、兄弟間で差別され、母親からあまり愛してもらえなかった(受け入れてもらえなかった)ことで、心の中に母親に対する怒りの感情があるのですが、それを意識することは辛いため、無意識の中に自分の感情を抑圧してしまうのです。その代償として、怒りの感情が転化して不安発作となってあらわれます。

                                                                  山形県 山形市 長町 心療内科 小松医院

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